マテリアルズインフォマティクス(MI)の導入が進む中で、次のような壁にぶつかることはないでしょうか。
「手元のデータでモデルを作ってみたけれど、そこからどう製品開発に繋げればいいかわからない」 「分析結果は出たが、現場の感覚と合わず、プロジェクトが止まってしまった」
近年、MIツールの普及が進み、導入のハードルはずいぶんと下がってきました。しかし、誰でもすぐに使いこなせるかといえば、まだそうではないのが現実です。 ツールが身近になった今だからこそ、単にモデルを作るだけでなく、「作った後、どうするか?」「そもそも何のために作るか?」 というプロジェクト全体の設計図が重要になっています。
今回は、データ分析の標準的なプロセスである CRISP-DM(クリスプ・ディーエム) を参考に、MIプロジェクトを着実に成果に繋げるためのステップを解説します。 これは、「まずは試してみる」という初期段階から、「組織として成果を出し続ける」段階へステップアップするためのヒントになるはずです。
データ分析の標準プロセス CRISP-DM とは?
CRISP-DMは、データ分析を6つの工程に分けたサイクルです。 重要なのは、これが一方通行ではなく、行ったり来たりを繰り返しながら精度を高めていくサイクルだということです。
MIプロジェクトにおける6つのステップを見ていきましょう。
1. 研究開発課題の理解 (Business Understanding)
「どんな材料を作りたいか?」「どんな課題を解決したいか?」を整理します。
- ポイント: 最初から完璧な定義でなくて構いません。「まずはこの物性を予測できるか試したい」というレベルでもOKです。
- 重要性: 目的が明確であればあるほど、後でモデルの良し悪しを判断しやすくなります。
2. データの理解 (Data Understanding)
手持ちのデータを棚卸しします。実験ノート、個人のローカルPCにあるExcel、部署の共有ドライブに眠っている過去の報告書など、使えるデータがどこにあるかを確認します。
- データのポテンシャル確認: 単に場所を知るだけでなく、「そのデータは機械学習に使えそうな中身か?」「データ量は足りていそうか?」 といった、データの質と量をざっと確認しておくことが重要です。
3. データ準備 (Data Preparation)
ここが最も泥臭く、重要で、一般的に最も時間がかかる工程です。まずは個人や部署に散在しているデータを、同じフォーマット(テンプレート)や場所に集約します。 その上で、表記揺れを直したり、欠損値を埋めたりして、機械学習が学習できる形(整然データ)に整えます。
- プラットフォームの活用: MIプラットフォームを使えば、「魔法のようにデータが綺麗になる」わけではありませんが、指定のExcelテンプレートに入力することでデータの形式(フォーマット)を統一したり、アップロード時に数値と文字を正しく認識させたりと、データの規格化をスムーズに進めることができます。
4. モデリング (Modeling)
機械学習モデル(MLモデル)を作成します。
- まずは試してみる(ベースライン作成): 最初から複雑なアルゴリズムを考える必要はありません。まずはツールを使って、基準となるシンプルなモデル(ベースライン)を作ってみるのがおすすめです。実際に動かすことで、「あ、このデータが足りないな」「意外と予測できそうだ」という感覚が掴めます。
5. 評価 (Evaluation)
出来上がったモデルをチェックします。ここでは単なる精度の数値だけでなく、実用性と「納得感」を評価します。
- 順解析(予測)の視点: 未知の条件を入力したとき、妥当な物性値を予測できるか?
- 逆解析(探索)の視点: 欲しい物性値を入力したとき、それを実現する組成やプロセス条件を提案(逆解析)してくれそうか?
- ドメイン知識との照合(解釈性):
- SHAP解析や特徴量重要度を見て、モデルが「どの因子を重要視しているか」を確認します。
- それが「過去の知見やドメイン知識(化学的な常識)と合致しているか?」を確認します。もし合致していれば、モデルへの信頼が一気に高まります。
- 逆に矛盾している場合は、チャンスかもしれません。「データの偏り(バイアス)」の可能性もありますが、人間が見落としていた「隠れた相関」や「新たな知見」が示唆されている可能性もあります。ここを考察することが、研究開発のブレイクスルーに繋がります。
- 精度改善の視点: もし精度や納得感が不十分な場合、どうすれば改善できそうか?
- 単純に実験データを増やすべきか?
- 今あるデータに手を加える(特徴量エンジニアリングや構造変換)べきか?
- 原料のメタデータやSMILES情報などを追加して、モデルに与えるヒントを増やすべきか?
6. 展開・活用 (Deployment)
モデルを実際の実験や開発フローに組み込みます。
- 現場での運用: プラットフォーム上で 順解析(シミュレーション) を行って実験回数を減らしたり、 逆解析(最適化) を行って人間では思いつかない配合を発見したりします。
- サイクルを回す: ここで得られた新しい実験結果をまたデータとして蓄積し、モデルを再学習させて育てていきます。
「まずは試して、走りながら考える」が正解
この6つのステップを見ると、「こんなにしっかり計画しないと始められないのか...」と思われるかもしれません。
しかし、実際は逆です。 まずは手元のデータで「3. データ準備」から「5. 評価」までをクイックに一周回してみる ことをお勧めします。
一周回してみることで、「もっとこういうデータが必要だ(データの理解)」「実は課題設定をこう変えた方がいい(課題の理解)」という気づきが得られます。
プラットフォームがサイクルを加速させる
当社のMIプラットフォームは、このCRISP-DMのサイクルを 高速に、何度でも 回せるように設計されています。
- データ準備: テンプレート活用によるデータの規格化と一元管理
- モデリング: 専門知識なしで試せる自動モデリング機能
- 活用: 作成したモデルを使った 順解析・逆解析 の実装
「まずは試してみたい」という方も、「本格的にプロセスを構築したい」という方も、このプラットフォームがあれば、プロジェクトの現在地を見失うことなく、スムーズに開発を進めることができます。
まずは無料トライアルで、お手元のデータを使って「最初の一周」を体験してみませんか?
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